現在、スマートフォンライクなタッチパネルにタッチ・ドラッグ・フリック操作のできる製品の開発にちょっと携わっているわけですが、こいつがなかなか難しい。
デザイン部隊から出てくる案を実装してみると、このデザイン案ってのが
- タッチ・ドラッグ・フリックという性質に沿っていない、そしてこれらをまだ理解し切れていない
- 従来のボタン式の操作を思考のベースにしてしまっている
と感じることが多々あったりする。
一例をあげると(といってもいろいろあるので、ここで示す例は遭遇した実際の例では無いのだが)、下図のように画面1・画面2・画面3があり、上下にフリックすることで画面を遷移できるような仕様があるする。
もうちょっと具体的に書くとこんな感じ。
- 画面2を表示中に上から下方向にフリックすると画面1に遷移し、下から上方向にフリックすると画面3に遷移する
- 同様に画面1を表示中に下から上方向にフリックすると画面2に遷移する
- 画面3を表示中に上から下方向にフリックすると画面2に遷移する
で、こういう仕様の場合、画面2を表示中にフリックして画面を遷移することをユーザーに認識してもらうために下図のような画面の方向を示すガイドを表示しようぜみたいな案が出てくる。
分かる人にはもうおわかりいただけたと思うのだけれど、こういうガイドを表示すると、半数くらいの人がこのガイドは画面の方向では無く、フリックの方向を示していると認識してしまい、デザインの意図とは逆の方向でフリックしてしまう。そして余計にいらいらすると。
ガイドを示すということそのものが、従来のボタン式のデザインが思考のベースになっていることが丸わかりですね。
「このデザインはマズいね」と指摘すればマズさを克服するデザイン案はいくつも出てくるのだが、今のところ紙上だけではこのデザインがマズいということがなかなか読み取れず、実際に動かしてみたりしてやっと分かるというレベルだ。
デザイナーにも開発側にもスマートフォン風インターフェースのデザインの蓄積が無いので、実際動くモノがあって触ってみれば誰でも分かるような問題も、紙上のデザイン案だけではなかなか指摘できない。
実際のところ、これくらいの例なら紙上だけでもデザインの問題を指摘できる人はそれなりにいるのだけれど、もうちょっと込み入った内容だったりすると紙上の案だけでは問題があることを見抜けない。
また、仮に紙上で問題らしきものを見つけて指摘しても「実際に動かしてみるとそれは問題では無いかもしれない」ということになりがちで(デザインの蓄積が無いので、指摘者もこれが問題になり得るのかどうか確信が無いことがほとんど)、じゃあ実際作ってみましょうということになる。
で、実際作ってみると問題だったり問題にはならなかったり、別の問題が出てきたりする。
加えて、特にスマートフォン風の操作系だと、今まで以上にちょっとした違和感が目立ったり、細部にまでこだわらないと余計にがっかりなモノができてしまうなだけに、がっと仕様やデザインを出して、その通りにざっと開発する、なんてのがなかなかできていないのが現実。
かといってスマートフォンではないので、スマートフォンのデザインをそのまま採用できる訳でも無いしね。
おそらく家電メーカーを中心にこれからスマートフォン風インターフェースを備えたオモロ製品がごろごろ出てくるのだろうけど、各位につきましては生暖かい目でにやにやしながら眺めていただけるといいのでは無いでしょうか。
数年後にはこの辺のオモロデザインもましな方向に収束していくものと思われます。


