OLYMPUS PEN Lite E-PL3のある意味でのユニバーサルデザイン事例

価格.comのOLYMPUS PEN Lite E-PL3口コミ掲示板より引用

価格.com – 『思わぬメリット!』 オリンパス OLYMPUS PEN Lite E-PL3 ボディ [シルバー] のクチコミ掲示板 価格.com - 『思わぬメリット!』 オリンパス OLYMPUS PEN Lite E-PL3 ボディ [シルバー] のクチコミ掲示板

思わぬメリット!

滝猿さん

介護とリハビリが仕事です。思わぬメリットと可能性を感じました。
まず、ミラーレスは見た目がコンデジです。特にこのカメラは、その傾向が強い。一眼レフと大きなレンズに対し緊張感がはしる高齢者が、このカメラだと自然体で過ごしてくれるんです。特に認知症高齢者。ご家族に対しての連絡用に。また、専門職同士のミーティングにおいても助かります。プロの道具になり得ます。
次に可能性です。今日、素晴らしい出来事がありました。脳梗塞後遺症で右麻痺の方が、発症後六年。初めて私のこのカメラで写真を撮れました!泣いてましたよ。作品をみた御家族も号泣。実は…以前に試したソニーモデルではダメでした。機構が独特すぎるんです。パナソニックも無理でした。タッチパネルです。麻痺がある場合、空間認識ができない方がいらっしゃいます。タッチパネルの半分しか認識できないのです。私のカメラは大きめのモードダイヤルと大きな液晶があります。私が左手がわりにカメラを構え、ご本人の左手でレリーズ。顔認識も併用しました。三脚を併用すれば、さらに単独撮影の可能性が広がります。ミラーレスが今のバランスで成熟していけば、ある日突然、病で人生が激変した方々に、新しい生きがいと楽しみを…若年者には生きる糧を与える可能性があるのです。操作性を犠牲にする過剰な多機能化や合理化はやめてほしいです。
このカメラを買ってホントに良かった。脳梗塞などは明日は我が身…ホントの高性能って健常者偏重ではないと確信しています!

いい話だし、デザインが与える影響の一事例としてはとても面白い話ではあると思う。
いちエンジニアとしては、願わくば、誰かの心を揺り動かしたり、誰かの人生を根本から揺さぶるような製品なりサービスに携わってみたいとも思うし、そうあることができたならばエンジニア冥利に尽きるのだろうとも思う。
そういう意味ではこういう話は素直にぐっと来るのだけれども、この話を読んで「こいつはいい話だ! ユニバーサルデザインとはこうあるべきだ!」……なんてことをここでいいたいのでは無い。

私はオリンパスに対してはただのいち消費者だし、製品を買って利用すること以外に利害関係は無いので憶測だけでモノを書くのだけれど、オリンパスがPEN Lite E-PL3で従来のデジカメそのままに近いメニュー機構を採用したのはカメラメーカーの従来の文化に追従したためか、単にコスト削減のために妥協したかどちらかなのだろうし、タッチパネルを採用しなかったのも部材のコストやら開発のコストが折り合わなかったためだろう。
そして、上記の話はPEN Lite E-PL3がたまたまこの人達のユーザーニーズにがっちりはまり込んだだけであって、間違っても狙ってやった話では無い。
PEN Liteのラインナップが今後も続くとして(というよりもオリンパスが今後存続するとして、とでもいったほうがいいのかもしれないが)、タッチパネルが十分安くなるだろうそう遠くない未来のうちにタッチパネルを採用するだろう。
製品企画の時点では間違いなくタッチパネルの採用は検討されていたはずだ。

ソニーのミラーレスの「機構が独特すぎる」のだって(といっても私自身NEXを深く触ったことがあるわけでは無いのでどの辺が独特なのかは分かりませんが)、パナソニックがタッチパネルを採用したのだって、彼らなりのデザインに対する答えだし、別に彼らが「操作性を犠牲にする過剰な多機能化や合理化」をしたわけでもない。
もちろん、カメラメーカーに限らず家電メーカーはコストに関しては一般に思われる以上に敏感だし、もっとも重要視される要因でもある。
けれども、彼らは彼らでデザインが重要である、良いデザインは売れる、ということはデザイナーだけで無く、企画から開発、製造、経営層なんかの誰もが分かっていることだ。
iPhoneやWiiが爆発的なヒットをした後なんかはその傾向は顕著で、もう誰もデザインを無視できない。(だからといって良いデザインの製品ばかりが出るわけではないけれど。)
ソニーやパナソニックレベルの組織ならば、デザイナーとは別にユニバーサルデザイン・ユーザビリティ専門の人間なり部隊がいるし、彼らのカメラにどれくらいその人達が関わったかは分からないけれど、カメラという売れてお金になる製品(民生品だと売れてお金になる製品の方が珍しいくらいだ)のことだからそういう人たちが企画段階から参画している可能性は高い。
むしろ、相対的にはオリンパスの方がそういうところにお金をかけられていないはずだ。
だからこそPENが従来のカメラを踏襲した製品になっているという面はあるのだろう。

要するに、PEN Lite E-PL3がこの話の投稿者のユーザーニーズにがっちりはまり込んだのは偶然だぞ!ということが言いたいだけだ。
ユーザーから見て「操作性を犠牲にする過剰な多機能化や合理化」にしか見えないものだって、大多数のユーザーをかかえるメーカーから見ればそれなりに合理性のあることなんだ。
いや、まぁその合理性が過去の成功から来る臆病さや、単なる思い込みだったりすることも多々あったりするのは事実なのだけれど。

ユニバーサルデザインって結局よく分からないよねってことと、とりあえず多様性は善ってことくらいしかいえないんだけれどね。

【追記】
ユニバーサルデザインってクソってことが言いたいわけではないし、むしろユニバーサルデザインの心意気自体には個人的にはとても共感しています。
じゃあそれをどう実現するべきかってところが具体論としても組織論としてもよくわかんねーやというだけです。


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